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千早「…そうね、たまには歌から離れてみましょう」 

カテゴリ:アイマスSS

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:34:26.25 ID:QbWvYgeS0

Aランクに上がってはや半年…もうワンステップが、思うように行かない。
周囲は私に期待するけれど、私にはそれは迷惑でしかない。

伸び悩んでいる…中だるみ…

片付けるのは簡単だ。だけど、それじゃあいけない。
いつかプロデューサーが言ってくれた…
歌ばかりに固執していてはだめだ、と

…長らく私は、この考えに反発していた。
だけど、このにぎやかな孤独の中、今や私は私にとって生きがいであった歌にさえ、反発を感じるようになっていた。
これではいけない。離れるのは逃げだろうか?

千早「…」

…思い立ったが吉日。今日のオフを、どうせなら徹底的に音楽から離れたものにしましょう。

千早「…行ってきます」

ひとり、行くあてのない旅へ向かう


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:36:24.92 ID:Z27CZ7pn0



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:36:48.48 ID:Sx7fZgv40

7/27
上から読んでも下から読んでも


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:37:01.14 ID:QbWvYgeS0

音楽から離れてみる…とはいったものの、そう簡単にはいかないことは分かってる
明日からはまた『毎日』が始まるんだし、極端に遠くへもいけない

…目的が抽象的すぎると、私はここまで何もできないのかしら

千早「…」

悩んでいてもしかたない。歩きながら考えましょうか。
まずは、遠くへ行くか、近くをうろうろするか。
…考えてる間に後者にもなりそうだけど…

千早「…暑い」

8月。夏真っ盛り。人を殺せる温度…私も例外なく苦しめられる。
ライブとかの熱気なら耐えられるのに…これは気分の問題ね。

…私はまた仕事のことを考えていた。


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:41:19.86 ID:QbWvYgeS0

…繁華街に出た。まぁ夏休みだからかしらね…若者であふれかえっている。
ああいうファッションとかのことを『チャラチャラ』って言うのよね。
最初に言い出した人を褒めてあげたいぐらいにピッタリ、まさに言いえて妙だと思う。

千早「…人が多すぎて疲れる」

そう呟いて少し裏道に入る。すると、自然と人間の層も限定されてきた。
大学生ぐらいの人たちが、中心地の華やいだ百貨店から少し外れたこのあたりの
さびれた、インディーズとでも言うのかしら?
ともかくそんな店を求めて歩いていた。

千早(…最近のファッションはよくわからないわ)

私には彼らのあの着こなし…要素同士がいがみ合ってるように見える。
もっと協調性のある服を着ればいいのに…無難に白や青を基調としてみたりとか…
理解に苦しむわ。するとここは、私のいるべき場所ではないのかも。

千早「…ちょっと、のどが渇いたかしら」

喫茶店にでも行きましょうか…それともコンビニでお茶でも買いましょうか。
いずれにせよちょうどいいので、私はもう一度中心街へと戻った。


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:45:10.04 ID:QbWvYgeS0

vvvvvvv....vvvvvvv....

着信を知らせるバイブレーションが鞄の中から響いた。
どうやらメールのようだ。確認する。


…春香からだわ…それにしてもこの文面…

千早「『お前はここで何をしている!』…か」

かわいい。思わず顔がほころぶ。

千早「直接呼び止めればいいのに…春香」

そういって振り返ると、五歩ほど離れたところに見慣れたリボンが揺れていた。
同じ事務所でアイドルをしていて、プライベートでも仲が良い…私は親友だと思っているけれど。
天海春香がそこにいた。

春香「えへへ、ごめんごめん。でもちょっと面白かったでしょ?千早ちゃん」

千早「ええ、とても…和んだわ」

春香「それはよかった♪」

満面の笑みを浮かべて走り寄ってきた。鼻血が出そうなのは暑さのせいかしら、それとも。


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:47:23.21 ID:V9ohO+Xw0

http://i.imgur.com/B0jLy.jpg
はるちは支援


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:49:20.54 ID:QbWvYgeS0

春香「こんなところで奇遇だね、千早ちゃん!」

意外ね。こけなかった。
ちょっと残念に思ってしまった自分に、また笑ってしまいそうになる。

千早「本当にね。何をしてたの?」

春香「私は営業の帰りだよ。結構早く終わっちゃったから、寄り道してるの。千早ちゃんは?」

千早「私は…」

言いかけて止まる。言ってしまえば余計な心配を加えるだろうか?
『気分が滅入ったから歌から離れてみてるの!』
何てことはない。これが私のことでないならば。…四六時中歌の事しか考えてなかった私のことでないならば。
だけど…それに相手は、仲間思いで意外とするどい春香だ。きっと感ずかれる。
そうなると少し面倒かもしれない。春香には余計な気を使わせたくはない。だから私は…

千早「今日はオフだから、少しショッピングにでもって」

と。完璧だわ。どう考えても普通。異変とは対極にあるような返答でしょう?


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:51:58.13 ID:QbWvYgeS0

春香「ええ!?千早ちゃん、何か嫌なことでもあったの!?」

ないわよ。


いや、正確にはあるんだけど、でもないように答えたじゃない。逆になんで?
流石にショッピングに出かけたぐらいで異常認定されるって…

千早「何もないわよ。何もないわよ春香。逆になんで?」

春香「あ、いや…あ~ははは…そうだよね、千早ちゃんも年頃の女の子だもんげ…」

変なアレンジ加えないでちょうだい。
はぁ…私ってやっぱりこういう風に見られてるのかな…女の子らしくないとか…そんなふうに。
ほんのちょっとだけ…凹む。いや、気分的な意味でですけど?

春香「そうだ、ねぇ千早ちゃん、もしよかったらご一緒してもいい?」

千早「ええ、もちろん。大歓迎よ」

早っ。今思考より早く返事してしまったわ。


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:53:38.90 ID:QbWvYgeS0

春香「それにしてもやっぱり暑いよね~…そういえば、何買うつもりなの?」

決めてません。正直ごめんなさい。
ここは素直に謝ろうかしら?それとも…

千早「そうね…」

春香「あれ…もしかして、未定?」

何でわかったのかしら。ってそうよね…即答できなきゃ分かるわよね。

千早「ごめんなさいね…」

春香「ううん、謝る必要なんてないよ!もともと私はいないモノだったんだし…あはは」

…言い分は春香の方が正しいのよ。けれどやっぱり罪悪感。

春香「じゃあ、どこに行こうかとかは?」

千早「……………………えっと」

春香「…」ジー

無駄な抵抗はやめなさいと。そういうことなのね。


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:55:35.51 ID:QbWvYgeS0

千早「と、とりあえずこっちに戻ってきたのは、のどの渇きをどうにかしようと思ったからなのよ」

春香「あ、いいねソレ!私、近くにいい喫茶店知ってるんだ~!」

千早「いいわね。良ければ案内してくれる?」

春香「うん!それじゃ、行こう!」

…のどの渇きを潤すために喫茶店…しかも春香と一緒なら十中八九甘味もある。甘味…天海…ふふっ。
聞く人が聞けば見下したように「非効率的だ」と笑うでしょうね。私だって…きっと笑うでしょうね。
でも、それでもいい。それでもいいと思えるようになった。たまには無駄だって必要ってところかしら。

春香「着いたよ、ここ!ここのコーヒー牛乳がとっても美味しくて、ケーキに合うんだよ!」

そこはカフェオレって表現しましょう。コーヒー牛乳は…まずかろう。

扉の前に立ち、2秒待つ。…開かないのを確認し、取っ手を握り、押す。
…開かないのを確認し、引く。流石に開いた。

千早「…ぷふっ」

春香「…千早ちゃん?」

たった一枚の扉に二度敗北する自分がおかしくてつい笑ってしまう。
取っ手がある時点で、まず自動ドアであるという可能性は捨てるべきでしょう。


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 21:59:45.38 ID:QbWvYgeS0

店内はちょうどいい涼しさだった。設定温度は25℃ぐらいかしら。
洒落た雰囲気…隠れ家的でアンティーク感漂う…パンと紅茶が合いそうな店ね。

春香「何を頼もっかな~…捨てがたい…捨てがたい…捨てがたい…」

ちょっぴり怖い。春香は序盤、すごく悩むのだけど、だからといって時間をかけるわけではない。
これは一種の才能ともいえるんじゃないでしょうか。いつも20個の候補をあげてから一つにする。2秒で。

さて、私はどれを頼みましょうか…無難に紅茶とパンでいいかしら。
けれど、せっかく春香がカフェオレがおいしいと教えてくれたんだし…。よし、決めたわ。

春香「アイスコーヒーとイチゴ大福ください」

千早「!?…あ…私は、紅茶と…ふっくらブレッドのハーフでお願いします」

春香(まさかコーヒー系統にさえしないなんて…さすが千早ちゃんだね)

自分を貫き通す…この初志貫徹の意志が、私をここまで連れてきてくれた。
私は春香のおすすめをあえて無視することで、友情が高まるのを肌で感じたのだった。

…ところで春香のチョイスはどうなってるのかしら。合うとは思えないのだけれど。


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:04:20.72 ID:QbWvYgeS0

千早「とてもおいしかったわ。良いところを教えてもらったわね、ありがとう春香」

春香「ううん、気に入ってもらえたみたいでうれしいよ!さて、それじゃ…」

千早「ええ、いい感じに涼めたことだし…」

春香「うん、行こうか…」



千早・春香「…どこへ?」

そう言って笑いあう。こういうのって、結構楽しいわね。

春香「迷ってるならさ、なんでもあるところに行こうよ!」

何でもあるところ…ふふ、そうね。とってもいいアイデアだと思う。

春香「千早ちゃん!百貨店ですよ、百貨店!」

千早「ふふ、久しぶりに聞いたわね、それ」


向かう。とっても暑い。


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:07:55.87 ID:QbWvYgeS0

春香「ふぅ…外よりはマシだけど、それでもやっぱり人が多いからね…」

4mぐらいある荘厳な門をくぐり、店内に入る。
ここは昭和より前に作られたらしいけど…やっぱりその頃の建築様式ってちょっと好みだわ。
西洋のスタイルを取り入れようとするのだけれど、どこかうまくいってない…おそらくそれは、調和によるものね。
明らかに浮いている…でもその凸凹感がまたいいと感じる。

春香「最近、内装が変わったんだって。とっても現代風になってるね」

千早「そう…古めかしい外見とのギャップが激しいわね」

春香「さて、最初はどこ行こうか!」

案内板を見る。…ちょっと何書いてあるかわからない。
普通こういうところって階によって取り扱うジャンルが違うとかいうふうにならないかしら?

千早「…歩きながら考えましょうか」

春香「お、珍しい。千早ちゃんって、そういう無計画っていうの、好きじゃないと思ってたよ」

千早「…まぁ、たまには。ね。」

春香「うんうん、それじゃ行こっか!」

行くあてのない旅へ向かう。今度はふたりで


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:10:07.78 ID:QbWvYgeS0

春香「あ、あの服かわいい!千早ちゃん、ちょっと見てきていい?」

千早「えぇ、もちろん」

…てこれ秋服じゃない明らかに…
まだ8月の中旬でしょう?ちょっと考えられないわ…。

春香「へぇ~、今度のは…ブツブツ…」

吟味してる吟味してる。
こういうのって一番詳しいのは誰かしら。やっぱり美希?
春香のこの様子を見ていると、これでも並程度というのが信じられない。
となると私は…いったい…

今なぜかアノマロカリスって思い浮かんだわ。カンブリア紀ね…そんなに遅れてるかしら。

春香「―――…うん、分かった。千早ちゃん、お待たせ~!」

千早「あら、もういいの?」

春香「うん、10分ぐらい見てたっぽいしね。さすがにこれ以上待たせてられないよ」

…もういいの、とは言ったけれど、たしかにあと3分ぐらい放置されていたらちょっとしんどかったかもしれないわね。
これが女の子の買い物の普通なのかしら。住む世界が違いすぎると感じるわ。


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:11:58.47 ID:QbWvYgeS0

春香「ん~…千早ちゃんってさ、ああいうのに興味ない?」

千早「ああいうの?…アクセサリー類のことかしら?」

春香「うん。似合うと思うんだけどな~…ちょっと見てもいいかな?」

千早「えぇ、私もちょっと興味あるわ」

春香「本当!?それは良かった…!」

千早「?」

急に上機嫌になった春香に先導されて向かったのは、アクセサリーに限らずいろんな…
主にパーティーグッズなどを取り扱っている店だった。…これは面白いわね。
きっとプレゼントとかには最適ね。

春香「千早ちゃん千早ちゃん!これ見て~!」

千早「これは…髪留めかしら?変わった形をしてるわね」

春香が見せてくれたのは指輪のような髪留めだった。まぁ指輪よりはもっと大きいけれど。
色は青と白の…このおはじきによく見られるような
色と色が不完全に混ざった模様って、なんて名前なのかしら…とにかくそれ。

千早「私の好きな色ね」

春香「ホント!ちょ、ちょっと付けてみない!?」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:14:33.43 ID:QbWvYgeS0

こういうのって試着が許されるものなのかしら…
ささやかな不安を覚えつつ、春香につけてもらう。

千早「…ツインテールにしてるのかしら?2つ持ってきてたのね」

春香「そう!千早ちゃんって髪がすぅっとしてて綺麗だから、きっと似合うと思うんだよね」

それはそれは…お褒めいただき光栄です。

春香「か、かわいい…!ね、ねぇ写真とってもいい?」

春香「それでもしよかったら、ブログにも載せたいんだけど、大丈夫!?」

千早「え!?ちょ、ちょっと…それはさすがに恥ずかしいわ」

春香「え~!?」

千早「それに、これってまだ商品でしょう?さすがにまずくないかしら」

春香「あ、それなら私が買うから心配ないよ!それでね、それを~…」

千早「?」

春香「あ、ちがった!いや、違うことはないんだけど…うぅ…とりあえず、先にお会計してきてもいいかな!?」

千早「え?あ、ちょっと!?」

春香が、おかしくなっちまった。


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:15:19.10 ID:QbWvYgeS0

春香「買ってきたよ~!ね、もう一回つけてもらえるかな?」

千早「…まぁ、つけるぐらいなら」

春香「…ねぇ、本当にダメかな?さっきの千早ちゃん、ほんとびっくりするぐらい可愛くて」

春香「確かに独り占めもしたいんだけど…それよりもやっぱりみんなに見てほしいって思うの!」

千早「春香…」

春香「お願い…ダメ…かな?」

千早「うっはぁ…(カワイイ…コレハヤバイ)…あの…一枚だけよ…」

春香「本当!?やったー!!」

ふふっ。まぁまんまとのせられたってところでしょうけど、それでもこの笑顔が見れただけで良しとするわ。
ちなみに後日、【テレ顔ダブルテール】というタイトルで更新された春香のブログを教えられて速攻削除させたというのは
また別の話である。仕方ないわよね。

春香「その髪留め、千早ちゃんにあげる!」

千早「え!?そ、そんな…悪いわよ」

春香「ううん、もともと私が勝手についてきたんだし、その…お土産ってことで?」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:16:38.95 ID:WDgWFwdV0

今日思い立ってメジャーで胸囲測ってみたんだけど男の俺でさえ70ちょいあった
72って冗談抜きで何もないじゃん


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:17:48.35 ID:Fbrly9U00

>>33
うん…まあとりあえず君、屋上行こっか


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:18:44.29 ID:QbWvYgeS0

千早「それでも…」

春香「もともとその色も千早ちゃんをイメージして選んだんだよ!」

春香「そして、このもう一つの…赤とピンクのは私…」

春香「えっと…あの、何が言いたいかっていうと…///」

春香が赤くなってる…何か恥ずかしいのかしら。

春香「えっと…と、とにかく!友達の証として、受け取ってくれるとうれしいな!」

それを来た私の胸で、何かがチクリと痛んだ。
それから私が何を考えてこういったかは、あとから考えてもわからなかった。

千早「…親友じゃなくて?」

春香「え?」

千早「あ///」

何を言ってるんだろう私は…これは確実に引かれたわ…

春香「あ、いや、もちろん親友だよ!うん…」

…なんかちょっとよそよそしなってるやん
これは思わぬ失敗だったわ…こんなところで空気を濁しちゃうなんて…。


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:19:51.75 ID:QbWvYgeS0

千早「…」

春香「…」

結局あのあと、おしゃんてぃーでイタリアーンなパスタ専門店でピザを頼んで、ランチタイムとしゃれ込んだけれど
食事中も、そして帰路の最中も…
こうして、駅につくまで、これといって打ち解けた話をすることはなかった。

千早「…それじゃ、私は向かいのホームの方向だから…」

春香「…うん…」

千早「…」

はぁ…とんだ大失態ね。そうよ、私が向こうに対してどれだけ大きく信頼、友情の念を置いていようと
それが一方的なものである限り、相手にとっては重荷でしかない。
まさに私と、私を取り巻く私を知らない人のように。
分かっていたはずなのに。どうして口に出しちゃったのだろう…。

765プロの皆のことを友達と思っていないわけじゃない。だけど、春香は…
そう、とりわけな存在だった。友達の中でも、もっとも友達と思っていた。

失いたく、なかった。


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:21:35.60 ID:QbWvYgeS0

千早「それじゃ、今日は楽しかったわ…ありがとうね、さよなら」

春香「うん…」

…想像していた以上に、辛いものがあるわ…
人間関係って、こうも簡単に崩れるものなのかしら
それとも、そもそもその関係自体、私の妄想であったという可能性も…

春香「ち、千早ちゃん!」

千早「…春香?」

春香「その…さっきのことなんだけど!」

千早「…」

さっきの…あぁ、私たちが友達だった最後の瞬間のことかしら。

春香「さっき…千早ちゃんが、私のこと親友だって言ってくれた時…」

春香「私、うれしかったよ!!」

千早「…」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:22:46.55 ID:QbWvYgeS0

春香「だけど、やっぱりすぐには受け入れられなかった…!」

ほら…やっぱり…

春香「でもそれは、私が千早ちゃんに釣り合わないと思ってたからなんだよ!」

春香「かたやAランクアイドル、稀代の歌姫その人で」

春香「私は…Cランク、まだまだ地方営業で地道に頑張らなきゃいけない…」

春香「同じ時期にデビューしたのにこうも差がつくってことに、やっぱり私はどこかで引け目を感じてたんだと思う」

春香「どこかで卑屈になってたんだと思う!どうせ今日のお許しも、施しのようなものじゃないかって…」

千早「春香…」

春香「だから…分かってほしい!私は千早ちゃんの気持ちに負けたんじゃないよ!」

春香「私も…私も、千早ちゃんのことが大好きだから!!」

千早「!!」

春香「はぁ…はぁ…もちろん、友達として、ね?」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:24:36.64 ID:QbWvYgeS0

春香「だから、今日の…後半の、千早ちゃんにとっては、重苦しく感じたあの時間」

春香「私は、ずっと考えてた。千早ちゃんのあの言葉がウソならば、あんなに落ち込まないもんね」

千早「…」

春香「…ごめんね、私口下手だから、うまく伝えられないけど…」

春香「…私も、千早ちゃんのこと…親友だって思ってるよ」

千早「は、春香…」ジワ

いけない…これは…こんなにうれしいなんて、想像もできなかった。
一度壊れたと思ったこの関係…じつはそれは大きな勘違いで、
それは私の思ってたよりずっと、強くて暖かいものだった。

―――――――――

――――――

千早「ふぅ…今日は楽しかったわ…」

音楽から離れて、リフレッシュをはかる。そんなつもりで出かけたのに。
予想外に大きくて、でも目には見えない…そんなものを手に入れたわ。


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:26:01.46 ID:QbWvYgeS0

千早「あら、メール…春香からね」

『今日は買い物に付き合わせてもらってありがとうね!
私はとっても楽しかったけど、千早ちゃんには一部、というより後半
辛い思いをさせちゃったよね…本当にごめんね!

(中略)

とにかく、私は千早ちゃんのことを親友だと思ってるからね!
もうアイドルランクがどうとか関係ないよ!もちろん、同じ事務所だけど
ライバル意識は持たせてもらうけどね…!

それじゃ、今日は本当にありがとうね!また、一緒にでかけようね!おやすみなさ~い!』

千早「ふふ…」

まったく、こんな長い文章をよく書けるわ。ま、そんなところも素敵なんだけど。
…さて、メールが来たからには返信をしなければいけないわ。
でも、私にはそんな長文は書けない。だから、あえて一言で済まそうと思う。

『好き』

ふふ、おやすみなさい。春香。


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:26:41.67 ID:QbWvYgeS0

後日―――

千早「ふぅ…事務所によるのも数日ぶりね」

このところは直行で現場へ向かうことが多かったからね。
そういえば、久しぶりに春香に会うことができるかしら。

千早「おはようございます」

春香「ひぃ!?」

小鳥「あら千早ちゃん、おはよう。ずいぶん久しぶりね」

千早「おはようございます音無さん…あら?春香、どうしたのそんなにおびえちゃって」

春香「いや、その…な、なんでもないよ!!」

千早「?」

何やら…嫌な予感がする。

千早「そうそう、春香。次の土曜日って空いてる?」

春香「」ブクブク

千早「な!春香が太った!」

小鳥「そのブクブクは泡吹いてるってことよー!」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/27(金) 22:27:20.05 ID:QbWvYgeS0

亜美「ふっふっふ→、千早お姉ちゃんとはるるんがねぇ…」

真美「ついに遭遇してしまいましたか→」

千早「亜美に真美?ちょっと、この春香の状況はどういうことなのか知ってるの?」

亜美「知ってるも何も→」

真美「千早お姉ちゃん、自分のやったこと…その胸に問いかけてみなYO!」

千早「…くっ、特にこれといって…」

春香「うぅ…うぅん…千早ちゃん…」

千早「は、春香!?気がつい…てない…寝言かしら?」

春香「だめだよ…私たちは…女の子同士…その好きは…うぅん…どっちの…」

千早「」

亜美「…分かったかい、お嬢ちゃん…」

真美「はるるんは犠牲になったのだ…犠牲の犠牲にな…」

春香「私は…親友だよ…だけど…うぅん…ダメ…」

千早「はるかぁーーーー!!!」

                              ―――終わり


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